「今しかチャンスがない」 大学野球57歳のオールドルーキーは、「生涯フルスイング」で挑戦を続ける

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仕事がある日も厳しいトレーニング...それでも「苦にならない」

   加藤さんは、自宅から通える国立名古屋工業大学を受験。社会人枠や聴講生枠としてではなく、野球部に入部できる一般入試枠を選んだ。他の若者と一緒にセンター試験、2次試験を受験し、工学部第二部物質工学科に合格。2回目の大学生活がはじまった。

   入学した「第二部」は、仕事をしながら夜間に勉強ができることが特徴だ。平日は仕事で練習ができないが、土日の練習には参加している。ただ、周囲の若手との体力差、慣れない硬球への対応には苦労をしたという。

「ダッシュでフライングしてスタートしても、若い選手に抜かされる」
「ノックで飛んできた硬球が顔に当たって、鼻血が出たこともありました」

   周囲との差を埋めるため、加藤選手は努力を惜しまない。仕事がある平日は朝4時30分に起床。1時間ほど近所の公園をランニングしたあと、出勤前には洗濯の時間を使って「素振り」をする。職場の昼休憩では昼食を済ませた後、近所にある山で45分走り、また仕事へと戻る。土日は、練習とは別に体育館でスクワットやランニングマシンでトレーニングをこなす。ストイックな日々だが、加藤選手は「苦にならない」と語る。

「バッターボックスに立つのは私一人。ネクストバッターズサークルにいる時は心臓バクバクですが、代打で呼ばれると気合が入る。その緊張感がたまらないです」

   大好きな野球ができる。その喜びで、加藤選手の毎日はあふれている。

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