ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(27)=大橋=が、WBO同級王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)の挑発に「応戦」した。
フィリピンメディア「INQUIRER」(WEB版)は2021年3月31日、井上の対抗王者であるカシメロの挑発コメントを報じた。同メディアによると、カシメロはユーチューブ上で井上に対して挑発的なコメントを繰り返したという。
カシメロ「オレから逃げようと決心したのだと思う」
カシメロは「井上はオレから逃げようと決心したのだと思う。もう私と戦うことを望んでいないだろう」と一方的に決めつけ、さらに「今やあいつは陸上競技のランナーのようにただ走っているだけ」とこき下ろしたという。
これを受ける形で井上は4月1日に自身のツイッターを更新し、カシメロの挑発に「応戦」。これまでもカシメロは執拗に井上を挑発しており、井上に対するリスペクトの念は全く見られなかった。普段は紳士的な言動で知られる王者もさすがに黙ってはいられなかったようだ。
井上は自身のツイッターに「待て待て。言わせとけば言いたい放題...こんな奴から逃げる理由がない。ただ俺には消化しなければいけない試合があるからやるだけ。いつでも倒す準備は出来てる」と投稿し、不快感をあらわにした。
昨年4月に統一戦予定もコロナ影響で中止に
井上とカシメロは昨年4月に統一戦を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期となり、最終的に試合は実現しなかった。試合の交渉が不調に終わった後もカシメロは井上戦への未練をのぞかせ挑発を繰り返していた。
井上は王座統一戦を望んでいるものの、保持するIBF王座の指名試合の関係で実現には至っていない。井上の次戦は6月19日にIBF同級1位マイケル・ダスマリナス(フィリピン)を迎えての指名試合が濃厚で、決してカシメロから逃げているわけはなく、カシメロの「遠吠え」に過ぎないだろう。