数々の不祥事が明るみになっている岐阜県の笠松競馬場で、今度は男性調教師によるセクハラ疑惑が出てきた。
この調教師は、複数の女性スタッフらに対し、体を触ったり卑わいな言葉をかけたりしていたという。その詳細な内容が、同県地方競馬組合が設置した第3者委員会がまとめ、2021年4月1日に公表された報告書で明らかになった。
「いい尻しとるな」「触っていいか」
「いい尻しとるな」「触っていいか」「触るぞ」。証言によると、男性調教師は、レース中に移動しているバスの車内で、ある女性きゅう務員に対し、こんな言葉をかけて、お尻を触るなどしていたという。また、別のきゅう務員と交際していることを知って、 「昨日、(交際相手)とやったか」と発言したという。
笠松競馬場を巡っては、騎手らによる所得税の申告漏れが発覚し、禁止されている馬券購入の疑いが出てきた。馬券購入では、岐阜区検が3月29日、元騎手と元調教師の4人を競馬法違反の罪で略式起訴している。
競馬場は、岐阜県と笠松町、岐南町でつくる一部事務組合である同県地方競馬組合が運営している。組合では、相次ぐ不祥事を受けて、第3者委の不適切事案検討委員会を設置し、同委で関係者に聞き取り調査を進めてきた。その結果が4月1日に報告書としてまとまり、競馬場の公式サイトで発表された。
報告書では、所得税申告漏れや違法馬券購入の疑惑のほか、常態化していたというセクハラについても、関係者の証言をつづっている。
それによると、3人の女性きゅう務員が男性調教師によるセクハラを訴えているといい、1人は数年前から、2人は2018年から被害に遭った。男性調教師は、きゅう務員らの体を触ったり、卑わいな言葉をかけたりする行為を繰り返したといい、組合などでは、同年7月に調教師に注意書を交付した。これに対し、調教師は、2度としないとする誓約書を提出したが、その後もセクハラは続いた。