慰安婦合意では安倍前首相が「心からおわびと反省の気持ち」表明
慰安婦問題では、
「被害者の名誉と尊厳を回復しなければならない。日本が15年の慰安婦合意の精神に基づいて、反省して心から謝罪すれば、問題の99%は解決できる」
と主張した。
日本側に対応を求める点では従来と同じだが、異なるのが、「慰安婦合意の精神」に言及している点だ。慰安婦合意では、日本側は冒頭で次の立場を表明している。鄭氏の発言は、この部分を念頭に置いたとみられる。
「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している。安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」
慰安婦合意では、日本政府が元慰安婦の女性を支援する財団設立のために約10億円を拠出することを前提に、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」 ともうたっている。日本政府はすでに10億円を拠出しており、慰安婦合意で求められている対応はすべて完了している、との立場だ。慰安婦合意では、すでに日本側が「心からおわびと反省の気持ちを表明」しており、「慰安婦合意の精神」を理由に改めて「反省して心から謝罪」を求める鄭氏側の立場との隔たりはきわめて大きい。