プロ野球のDeNAは2021年3月30日、横浜スタジアムでヤクルトと対戦し4-5の逆転負けを喫した。
DeNAは初回、ヤクルト先発スアレス(31)から3本のヒットを放ち2点を先制。3回には連続2塁打で1点を追加しリードを広げた。先発・大貫晋一(27)が7回を1失点で抑えリリーフ陣に後を託すも、8回に2番手・石田健大(28)、3番手・山崎康晃(28)が打ち込まれ4点を失い逆転負けした。
クローザー返り咲きは厳しい道のりに
3点リードの8回、DeNA「勝利の方程式」がヤクルト打線につかまった。
大貫の後を任された石田は先頭の山崎晃大朗外野手(27)に粘られ四球で歩かせた。後続2人を打ち取ったものの、山崎に盗塁を許し4番・村上宗隆内野手(21)に四球を与え2死1、2塁のピンチに。ここで内川聖一内野手(38)にセンター前にはじき返され1点を失いマウンドを降りた。
2点リードするも2死1、2塁でピンチが続く。苦しい場面で3番手として山崎がマウンドに上がったが、塩見泰隆外野手(27)にレフトフェンス直撃の適時打を許し2失点。続く川端慎吾内野手(33)には右中間を破られ逆転された。
今季クローザー返り咲きを目指す山崎だが完全復活への道のりは険しいものになりそうだ。昨季は開幕から不調が続き、シーズン途中で2軍落ちを経験し防御率5.68に終わった。長年守り続けてきた守護神の座を三嶋一輝(30)に明け渡すなど屈辱のシーズンを過ごし、今季は2軍からのキャンプで出直しを図った。
OB指摘「いかにピッチングの幅を広げることが...」
昨季は全体的に制球が安定せず、ボールが先行してストライクを取りにいったところを打たれる場面が多くみられた。関係者からは上体のブレや体の開きの早さなどを指摘されることもあり、ストレートとツーシームだけに頼るのだけなく「緩急をつけるための変化球が必要」と指摘する関係者も。実際、山崎はキャンプで新たにチェンジアップ習得へ向けて練習を重ねた。
今季の山崎は開幕シリーズの巨人戦2試合に登板し、いずれも無失点に抑えている。ところがヤクルト戦では昨季を思い起こさせるような投球で逆転を許し、今後のマウンドに不安を残した。
今季の山崎の課題に関して球団OBは次のように言及した。
「山崎は去年、コントロールを意識しすぎてカウントを不利にして打たれることが多かった。ピッチャーとして一番悪いパターン。今シーズンは、昨シーズンの悪いイメージを引きずらず、気持ちを切り替えて臨むことが大事。あとはいかにピッチングの幅を広げることが出来るか。山崎は性格が真面目過ぎるので自分自身を追い込みすぎるのが心配です」