神奈川県横須賀市内にある記念艦「三笠」公式ツイッターの一般ユーザーへの対応が物議を醸している。
甲板で喫煙する様子を投稿した一般ユーザーを「艦上は禁煙です」と注意したが、実際は喫煙所で撮影された写真だった。三笠側はその後、「誤解を招く可能性があった」ためユーザーを注意したと投稿したが、この釈明に疑問や批判の声が相次いだ。
三笠側は、ネット上の反応は読んだ人の捉え方だとして、対応に苦慮している様子だ。
「喫煙は所定の喫煙所でお願いします」と呼びかけたが...
記念艦「三笠」は、日露戦争中の1905年に行われた日本海海戦で、東郷平八郎司令長官の下、ロシアのバルチック艦隊を撃破した戦艦三笠を展示用に改修した施設だ。
発端となった投稿者は2021年3月20日、観光した際に立ち寄ったという三笠の甲板の上でタバコを持った手の写真をアップし、艦上で吸うとおいしいと紹介した。
すると、三笠の公式ツイッターが28日、この投稿を引用して、こう注意を呼びかけた。
「三笠艦上は禁煙です。 喫煙は所定の喫煙所でお願いします」
これに対し、投稿者は同日、甲板の端に灰皿が置いてあったので喫煙したと三笠の公式にリプライを送った。
三笠も、すぐに反応し、このリプライを引用して、次のように注意した理由を明かした。
「現在、工事のため一時的に喫煙所を前甲板に移動させております。しかしながらタバコと甲板のみで灰皿が写っていない画像では甲板上は喫煙可との誤解を与える可能性があったためリツイートさせていただきました」
ところが、この説明にネット上で疑問や批判が相次ぎ、炎上状態になっている。
「これは酷いよ」「どっちも言葉足らずな感じ」
投稿者は灰皿も写るよう写真の内容に配慮すべきだったとの三笠側の指摘に対し、「三笠の公式さん、これは酷いよ」「晒した人になんの非もない」「三笠で喫煙した人、なんか可哀想だ」「なんでひと言謝らないの?」などと、三笠側に厳しい意見が次々に書き込まれている。
一方、三笠側に対し、「確かに一理ある」などと理解を示す向きもあったほか、「どっちも言葉足らずな感じになってんな」といった反応も出ていた。
記念艦「三笠」を運営する三笠保存会では3月29日、J-CASTニュースの取材に対し、投稿者が喫煙していた写真の場所についてこう答えた。
「灰皿のある場所ではないかと思います。吸える場所から撮っていますので、問題はないと思います」
三笠の維持・保存のため、3月初めから4月いっぱいマスト修理などの工事をしており、灰皿のある喫煙所は、普段ある甲板の中央部から、換気のいい前部に位置変更している。写真の場所は、灰皿が置いてある艦首のところではないかと言う。
疑問や批判が出たツイートについては、読んだ人の捉え方があるかもしれないとし、対応に苦慮していると明かした。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)