スマホを見せて「陰性証明」 ANA実証実験から見えた「ワクチンパスポート」の期待と課題

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

「不平等がない形で運用できる」ことが前提に

   世界経済フォーラムの藤田氏は、

「今回コモンパスではワクチンのデータは入っていないので、今後非常に重要になってくる」

とする一方で、J-CASTニュースの取材に対して

「欧州でも議論があって、ワクチンをみんなが受けられるという状況にない限り、『ワクチンを打てない人が旅行できない』となるとそれはまずいので、不平等がない形で運用できるように、というのがアプリ、デジタルの取り組み以外で大事になってくる」
「あくまで紙で使える場合の、それをデジタル版(として開発していく)というところからスタートするのかな、といったところ」

とも話した。ワクチン接種の記録の扱いについては、コモンパスのアプリに実装する前提として、紙ベースの証明書の運用を確立することが必要になるとの見方だ。

   同様のスマホアプリを利用した陰性証明や接種記録証明の仕組みは、世界中の航空会社が加盟する国際航空運送協会(IATA)が開発を進めており、規格が乱立する可能性もある。この点について、ANAの後藤氏は

「私どもが聞いている範囲では、基本的な仕組みは非常に類似しているので、両方が同時に使いやすい形で実用化されていけばいい」

と話した。

   実証実験の対象になったのはNH110便(ボーイング777-300型機)。乗員14人と乗客34人を乗せて10時20分頃に羽田空港を出発した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

1 2 3
姉妹サイト