アプリ普及で各国の入国制限緩和につながることを期待
実証実験には、今回のANA以外にも、日本航空(JAL)や独ルフトハンザ航空、米ユナイテッド航空など7社が参加を表明。国際標準のひとつを目指す。
ANAのデジタル変革室・旅客システムソリューション部の後藤洋部長は、
「非常に大きな期待を感じている。やはり、このような国際標準的な仕組みによって、陰性証明、あるいはワクチン接種証明が正当だということが証明できれば、各国が今課している入国制限や措置、こういったものの緩和につながることに期待している。これによって人の流動、往来が増えてくれば色々ビジネス、経済、色々な面でコロナからの立ち上がりを促進できるのではないか」
などと話し、需要回復への期待感を示した。
ただ、いわゆる「ワクチンパスポート」に対する日本政府の立場は慎重だ。田村憲久厚労相は3月9日の記者会見で、国内で「接種証明」を導入する可能性について問われ、
「接種証明という意味で、(接種後に受け取ることができる)接種済証を使うことを我々は前提として考えていない。そのようなことを、何かを使ってやることによって、接種していない方にとって不利益な取扱いが行われるということは避けていかなければならない」
と否定的な見解を示した。「ワクチンパスポート」については、
「世界中いろいろな動きがあり、しっかり我々注視しながら情報収集はしていきたいと思うが、接種を受ける、受けないというのはご本人の判断。これは以前から申し上げているが、それによって不利益が起こらないように、そういう対応は政府としてはしていかなければならない」
などと述べた。