3.11は「イベント」じゃない 女川のラジオプロデューサーが、在京メディアに抱いた「怒り」と「感謝」【#これから私は】

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「震災10年」報道に対するメンバーの思い

   2021年。メディア各社は「3.11」に合わせる形で、集中的に被災地報道を行った。FMのメンバーもテレビや新聞に出演し、「震災10年」を振り返った。3月21日の「onagawa now!」の放送では、メンバーが「震災10年報道」に対する思いを語っている。

「メディアに取り上げていただくのは決して悪いことではないと思っていて。ちょっとこれ違う言葉かな、って思うこともありますけど、それも含めてきっかけにしていただけたらと思うんですよね。実際に女川に来てもらったり、石巻を見てもらったりっていう風にも繋がるかもしれないし。自分の生活のことや命のことを見つめ直す、そのきっかけの入り口みたいになれたらな、という風に思っています」(元教師・佐藤敏郎さん)
「(震災から)10年目っていう無理くりな節目だったりとか、そういう印象を持たれた方が多かったのかなと思ったんですけど。でも、それも踏まえて、全部ひっくるめて『東日本大震災』なのかなって」(FMスタッフ・宮里彩佳さん)

「(取材で)『この10年どうでした』って必ず聞かれるんですけど、何かをやり遂げた感覚がなくて。10年経つと被災者とか被災地と呼ばれないようになる、そこが本当のスタート地点。だから、今この瞬間、このためのスタート地点を作る10年なんですよっていう。僕らは結構フレッシュなんですよ。さあこれからはじまるよっていう。僕らは前を見ているのに、メディアの方々は後ろ向きに過去を振り返ろうとしていて。だから全然話が合わない。11年目に取材に来るメディアは本物だと思います」(蒲鉾製造「高政」社長の高橋正樹さん)
女川町からみた夕景(onagawa now!パーソナリティ・宮里彩佳さん撮影)
女川町からみた夕景(onagawa now!パーソナリティ・宮里彩佳さん撮影)

(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)

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