3.11は「イベント」じゃない 女川のラジオプロデューサーが、在京メディアに抱いた「怒り」と「感謝」【#これから私は】

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メディアへの「感謝」も

   こうしたメディアの存在に、FMのメンバーもストレスを感じるようになっていったと語る大嶋さん。一方で、長年継続して取材をしてくれるメディアや、被災者に寄り添った取材をしてくれるメディアも多いという。

「自分が必要なコメントとVTRだけ撮って帰ればいいという人もいますが、そういうこととは一切関係なしに、人として付き合い続けてくれる人たちがいっぱいいます。ちょっとした気遣いですが、震災から10年が経って、取材の現場から退いた人たちが、3.11に合わせて家にお花を送ってくれたりとか、お手紙を送ってくださったりとか。人間として向き合うべきことをやってらっしゃる方々もメディアにいるんだっていうのは、うちの子たちも学んだと思いますし、感謝もしています」

   また、仙台に拠点を置くメディアの間では、被災地報道に関する「勉強会」を実施。番組に出演する佐藤敏郎さんがスピーカーとして参加し、若手記者などに「取材される被災者の気持ち」を伝えてきたという。

   大嶋さんは、FMのメンバーにこんな言葉をかけてきた。

「同じ会社のバッジをつけていて、同じ会社の名刺を持ってくるかもしれない。でも同じだと思うとかわいそうだから。怒りたいこともあるだろうけど、そこは我慢しよう」
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