席としては販売せず
もっとも外野側にある席「SC66」の前に立つ壁の高さは、150センチメートルほど。身長175センチメートルの記者が身を乗り出せば、なんとか緑色のグラウンドが見渡せる。しかし、内野側の席に行けば行くほど壁は高くなり、一番端の「SC61」や「SC62」に至っては3メートルほどの高さだ。当然、目の前に映るのは、壁の灰色一色。これでは、身長198センチの助っ人砲、エルネスト・メヒア選手をもってしてもお手上げだろう。
一体なぜこんな席が生まれたのか。J-CASTニュースが24日、西武の広報担当者に取材すると、この立ち見席は2020年の改修で設置したものだという。メットライフドームの立見席はスタンド上部の壁沿いをなぞるように設けられ、ほとんどが指定席として販売されている。
しかし、この席に関しては目の前が壁で試合が見えないことから、席に番号は振ってあるが、実際には販売をしていない。「周辺は飲食店などが多く立ち並び、お客さまがドリンクやフードを置いて、気軽にカウンターでお楽しみいただく選択肢もあると考えた」(広報担当者)と設置の意図を説明し、観客には自由な用途で使ってほしいとした。
広報担当者によると、メットライフドームには同じようなカウンター付きの「未販売立ち見席」が12席存在するという。試合の合間には「見えない立見席」のカウンターに肘をつき、誰かとおしゃべりするのもいいかもしれない。