サッカーの日本代表は2021年3月25日、日産スタジアムで国際親善試合を行い、韓国代表に3-0で快勝した。だが韓国代表選手の肘がDF冨安健洋(ボローニャ)の顔面を直撃したシーンをめぐっては、一部韓国メディアも批判的に伝え、波紋が広がった。
試合は前半17分にDF山根視来(川崎フロンターレ)のゴールで日本が先制すると、続く27分にはFW鎌田大地(フランクフルト)が追加点。日本は後半に入っても攻撃の手を緩めず、後半38分にゴールを追加し試合を決めた。
「10年ぶりに再び惨事が起きた」
国際親善試合として10年ぶりとなる日韓戦は、欧州組がそろった。2011年8月に札幌で行われた国際親善試合では日本が韓国に3-0で勝利した。雪辱に燃える韓国と、それを迎え撃つ日本。両国のプライドをかけた一戦は、日本が韓国を圧倒する形で10年前と同じスコアに終わった。
10年前に続く「歴史的敗北」。試合の模様を伝えた韓国メディアにおいては、代表チームに向けて批判的な論調が目立った。
全国紙「朝鮮日報」(WEB版)は11年8月の札幌での試合を引き合いに出して「10年ぶりに再び惨事が起きた」と報じ、後半23分に韓国MFイ・ドンジュンのヒジが冨安の顔面を直撃したことにも触れている。
「結果はもちろん、競技力とマナーでも大きな物足りなさ」
「朝鮮日報」(WEB版)の記事では、イ・ドンジュンがボールと関係ない状況で冨安の顔面にヒジを入れたとし、「イ・ドンジュンがスポーツマンらしくないプレーで議論になった」と報じた。また、同紙は「韓国は結果はもちろん、競技力とマナーでも大きな物足りなさを残した」と論じている。
また「東亜日報」(WEB版)は、「横浜大惨事」の見出しを付け、「技術、精神力、闘志などすべての面で無気力に押された」と代表チームの不甲斐ないプレーを指摘し、「10年前の札幌の惨事よりひどい横浜の屈辱だった」と評した。
また、「中央日報」(WEB版)も10年前の敗北を引き合いに出し「10年ぶりに再び『3ゴールゼロ敗』の恥辱を受けた」と報じ、「イ・ガンインをゼロトップに立てる戦術を取ったが、日本の守備陣に通用しなかった」と評している。
後味の悪さを残した10年ぶりの日韓戦。通算対戦成績は日本の14勝23分け40敗となった。