「令和納豆」に保健所立ち入り調査 賞味期限ラベルめぐる騒動受け...運営会社「誤解与えた」と謝罪【追記あり】

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   納豆ご飯専門店「令和納豆」(茨城県水戸市)が通信販売する加工食品をめぐり、消費者から賞味期限ラベルが貼り替えられているとの通報があり、保健所が立ち入り調査をしていたことが分かった。

   運営会社の「納豆」(水戸市)はJ-CASTニュースの取材に「誤解を与える状況が存在していた」と非を認め、再発防止に努めるとする。

  • 「納豆ごはんに絶対的にオススメの国産納豆詰め合わせセット」(編集部撮影)
    「納豆ごはんに絶対的にオススメの国産納豆詰め合わせセット」(編集部撮影)
  • 宮下裕任社長(納豆社公式サイトより)
    宮下裕任社長(納豆社公式サイトより)
  • 「納豆ごはんに絶対的にオススメの国産納豆詰め合わせセット」(編集部撮影)
  • 宮下裕任社長(納豆社公式サイトより)

「納豆ご飯セット一生涯無料パスポート」で話題に

   納豆社サイトによれば、同社は「世界初の納豆バイオテックベンチャー」として、宮下裕任氏がNTT、KDDI香港などを経て18年に設立した。

   19年7月には筑波銀行と日本政策金融公庫から融資を受け、「令和納豆」を開業。クラウドファンディングでは「納豆ご飯セット一生涯無料パスポート」などの返礼品を配布し、目標額の4倍となる1200万円超を集めて脚光を浴びた。20年5月には、米国の食品会社を買収し、グローバル展開も果たす。

人気番組「モヤモヤさまぁ~ず2」でも店が紹介された(令和納豆インスタグラムより)
人気番組「モヤモヤさまぁ~ず2」でも店が紹介された(令和納豆インスタグラムより)
大成功を収めたクラウドファンディング
大成功を収めたクラウドファンディング

   今回騒動となったのが、21年2月から自社通販サイトで販売する「納豆ごはんに絶対的にオススメの国産納豆詰め合わせセット」(税込1100円、送料別)だ。老舗メーカー5社の納豆を揃え、「BCN」「食楽web」など複数のニュースサイトで紹介された。ライフスタイル情報サイト「IGNITE」は「究極の納豆セット」と絶賛する。

   しかし、購入者らから「通常の商品形態と異なっていて変だ」との旨の指摘がインターネット上で多数寄せられている。

包装ビニールと賞味期限表示が...

   具体的には、(1)同梱する「川口納豆」の包装ビニールと賞味期限表示が通常と異なる(2)同じく「福ユタカ」の賞味期限ラベルが貼り替えられている――といった指摘で、賞味期限を販売者都合で変えているのではとの憶測が広まっている。25日までに詰め合わせセットは通販サイトから消えた。

納豆社通販サイトより
納豆社通販サイトより

   納豆社に事実確認をすると、代理人弁護士を通じて24日、「賞味期限の改ざんや商品の中身自体について加工はしておりません」と疑惑を否定した。

   一方で、「誤解を与える状況が存在していたことが判明しましたので、その点大変申し訳なく思っており、これについて謝罪いたします」と不注意な点もあったという。同社は次のように説明する。

   「川口納豆」は、発送前に店舗の冷蔵庫で保存しているが、包装ビニールが汚れてしまった商品があった。品質自体に問題はないものの、「お客様に失礼」と考え、従業員の判断でビニールを差し替えた。元のビニールには賞味期限が打刻されていたため、同日の期限ラベルを用意してビニールに貼った。

   製造元の川口納豆社(宮城県栗原市)には許諾を得ていなかった。同社はJ-CASTニュースの取材に、同業者からの連絡などで事態を把握したとする。納豆社には詳しい経緯の説明を求め、返事を待っているという。

川口納豆公式サイトより
川口納豆公式サイトより

   納豆社は保健所の調査を受け、「違法ではないものの消費者に余計な誤解を招くようなことは極力しないほうが良い」との旨の指摘を受けたという。

   水戸市保健所の保健衛生課は、消費者からの通報を受けて、3月上旬に電話・対面での聞き取りと現地調査をしたと取材に明かした。食品衛生法や食品表示法の観点から商品の管理や表示方法について不適切な扱いがないか調べたという。今後は抜き打ち検査も視野に調査を続ける考えを示した。

   納豆社は、再発防止策として「商品保管の時点で汚れが極力発生しないように保管方法を変更し、また包装等を変えないということをルールとして定めました」としている。

「福ユタカ」製造元は困惑

   「福ユタカ」をめぐる指摘についての見解はこうだ。

   納豆社にはメーカーから冷凍の状態で納品され、業務用のため賞味期限表示がない。

   そのため、「製品にもよりますが解凍後7~14 日程度の賞味期限とすることが多く見受けられるため、期限として問題ないと思料される解凍後5日とする賞味期限シールをこちらで貼っておりました」と釈明する。

   ただし、こちらもメーカーには明確な確認をしていなかったという。

   福ユタカ(2月末で終売)を製造する「しか屋」(鹿児島市)は取材に対し、「賞味期限は解凍後5日で問題ないと思いますが、それには条件があります」と困惑気味に話す。

しか屋公式サイトより
しか屋公式サイトより

   同社では解凍後1週間を賞味期限に定めているが、冷蔵と冷凍を2度繰り返すと商品に痛みが出てしまい、期限がさらに短くなってしまう。

   そのため、

「冷凍と解凍は一回限りということで他のお客様には出しています。(納豆社の販売方法だと)購入したお客様が一度冷凍して、さあ食べようと解凍した時点ではもう風味や味が落ちています。そのように売るのであれば『うちの商品はセットに入れない方がいい』とアドバイスできたのですが...」

と事前に相談して欲しかったという。令和納豆で定食として提供されていると聞いていたが、通販で売り出されているとは知らなかった。

   詰め合わせセットの販売ページでは、「納豆の冷凍保存は約3ヶ月可能です。解凍時は冷蔵庫で自然解凍してください」と伝えていた。

   〓〓

   納豆社の代理人弁護士から26日、回答内容の訂正があった。同社では「福ユタカ」の賞味期限は解凍後5日と定めていたが、従業員から「何件か7日としたものがあるかもしれない」との報告をJ-CASTニュースへの回答後に受けたという。

   以下、納豆社からの追加回答。

「依頼者において説明のリリースをしたところ、従業員から、何件か7日としたものがあるかもしれない、という報告を後から受けました。
ご回答をする際も、リリースをする際も、もともと5日と設定していたルールがあること、それ以外のものがないことを繰り返し確認をしておりましたがルール違反がされていたものがいくつか存在してしまったことになります。この点、訂正のうえ、お詫びいたします。
なお、従業員は、ネット炎上の影響から不審者への対応や警察沙汰のトラブル、さらにはコロナ対応も考えなければならないというストレスに晒される状況が継続していたこともあり、2月のことがほとんど思い出すことができない状態にありこのような回答の食い違いとなってしまいました」
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