高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
LINE個人情報問題は「想定内」だった 自治体での利用は徹底的な議論を望みたい

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なぜ今頃になってマスコミが騒ぎ出したのか

   ちなみに筆者は、LINEを使っていない。その理由は、数年前にアプリ利用時の規約などを読んだら、容易に第三者が筆者の携帯機器の内部情報を入手できるかに読めたので、そこに含まれている筆者の知人情報の流出などを考慮して使わなかった。今回のLINEの報道を見て、筆者として驚きはなく、想定内のことだ。

   多くの先進国では、「通信の秘密」は基本的人権として保護されているが、その根拠はプライバシー(個人情報)保護である。しかし、それらの法制度は自国民の保護のためであり、他国民を配慮することはない。実際、テロ対策などの名目により、他国民の情報を傍受、監視することは日常茶飯事だ。

   今回は、中国で閲覧可能だったというが、他の国であっても、日本人の基本的人権の侵害という点では同じだ。さらに、中国であれば、安全保障上の懸念もでてくる。

   個人で、規約を読んで情報流出を了解の上で利用するのであれば、本人の自由ということもあるが、地方自治体で利用することは、はたしていいのか。この機会に、今回の政府での調査を踏まえ、国民の間での徹底的な議論を望みたい。

   それにしても、なぜ今頃になってマスコミが騒ぎ出したのかがわからない。しかも、どこに問題点あるのかがぼやけている。そもそも記者の多くは、ろくに規約を読まずにLINEを利用しているからだ。無料にはそれなりの対価があるはずで、LINEのような無料ソフトでは利用者の情報になることが多い。ここに今回の本質的な問題点がある。

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