「ライバーになりませんか」SNSに飛び交う「スカウトDM」、送り主は何者? 「業界」の実態を探った

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多量のスカウトには「むかつく」の声も

   2021年3月現在、SNS上では数多くのライバー勧誘が飛び交うようになっており、それが冒頭で紹介したようなメッセージだったというわけだ。気になるのは受け取った側の反応だが、先述の元ライバー神崎さんは、大量のスカウトにうんざりしているという。

「今はライバー活動を休止しているとSNS上にも書いてあるんですけど、まだ勧誘してくるところもあるんですよ。『プロフみてますか?』って送ったら黙っちゃうところもある。ちょっとムカつきますね、何も見ずに送ってくる営業のDMは」

   こうした声をライバー事務所はどうとらえているのか、JPRの小泉さんはこう話す。

「会社としては、そのような声には親身に受け止めて何か対策を講じなければと思います。しかし個人的には、昔よくあった青山とか池袋とかで『芸能人なりませんか』と声をかけるスカウトと同じかと思います。興味がない人は『そんな興味ないんで』、『うるさい』と捉えられると思いますが、そこからチャンスをつかんで有名になった人もいます。弊社に所属するタレント3500人も迷惑しなかったのではないかと思います」

   実際にJ-CASTニュースが取材した前出の女性ライバーは、スカウトが届くことについて「認められたようで嬉しい」と語っていた。彼女もプラットフォーム側のスカウトではあるが、これをきっかけに公式ライバーとして活躍していた。

   一方でVIAの横田さんはスカウトが困惑される背景をこう分析する。

「スカウト自体がネガティブに捉えられている背景としては、新型コロナウイルスによる巣ごもり需要の影響で良くも悪くもライバー事務所が増えました。2年前はアクティブなもので500社くらいだったのですが、今は2000社を超えています。その中にはよく分からない業者、ライブ配信の見識もないけど参入してきた業者が、なりふり構わずDMを送ることも増えているんです。そういった部分では、スカウトは反省すべきだと思います」

   J-CASTニュースが参照したスカウトDMの中にも、他社の住所を所在地だと偽る怪しいスカウトもあった。ただしプラットフォーム側である「17LIVE」、「Pococha」、「LINE LIVE」によれば、これまでにSNSユーザーと提携ライバー事務所間におけるスカウト関係のトラブルは把握していないとのことだ。

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