サッカー日本代表が韓国代表と2021年3月25日、日産スタジアムで国際親善試合を開催することが決まった。日韓戦の国際親善試合は11年8月以来10年ぶりとなるが、両国の世論では試合開催に反対の声が多い。なぜだろうか。
「選手たちのメリットを考えると、うーん...」
「ガンバ大阪が新型コロナウイルス感染症のPCR検査を行った結果、選手6人、チームスタッフ2人が陽性判定を受けたことが判明し、3月に予定されていたリーグ戦計6試合がすべて中止となりました。Jリーグの各クラブがコロナ禍で感染防止に神経質になっている中、韓国から選手たちを入国させて国際試合を行うことに、首をかしげている。サポーターからも『今じゃないだろ』という声が多いですね」(サッカー誌編集者)。
緊急事態宣言が3月21日で解除されると決まったとはいえ、その4日後に海外から呼び寄せて国際試合を開催することに疑問の声が多い。日本だけでなく、韓国でも反対運動が起きている。
韓国大統領府のホームページには、「サッカー日韓戦を中止にしてください」というタイトルで請願が。請願人は「日韓戦は日本の提案を我々が受け入れる形となっている。現在、日本では新型コロナウイルスの対応不足で多くの感染者が出ており、横浜は特に多くの感染者が確認されている。日本は韓国との親善試合を通じて五輪に問題がないとアピールするようだが、なぜ私たちの選手が利用されなければならないのか」などと訴えたことを韓国メディアは報じている。この請願の賛同者数は公開から5日経った16日に2万人を突破した。
韓国代表は20年11月にヨーロッパへ遠征した際、選手やスタッフが新型コロナウイルスに感染している。今回の日韓戦開催で日本に向かうことを反対する声が多いのは当然かもしれない。
「一番かわいそうなのは日本代表に選ばれる選手たちです。Jリーグが過密日程の上に、世論の支持を得られていない今回の国際試合に出場することに葛藤もあるでしょう。これで負けたら何を言われるか...韓国の選手も同じ状況だと思います。日韓戦は盛り上がるので定期的に親善試合をやってほしいですが、今回は選手たちのメリットを考えると、うーん...となりますね」。(前出のサッカー誌編集者)
開催には賛否両論の声がある。もちろん、ピッチで戦う日本代表、韓国代表の選手たちに非はない。今回の親善試合でコロナ感染が拡大しないことを祈るばかりだ。