戯曲の「デジタルアーカイブ化」はなぜ必要だったのか 無料公開に踏み切った思い、担当者に聞いた

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アーカイブ化を通じて見えてきた課題も

   また戯曲デジタルアーカイブを公開する際に、戯曲まわりの著作権に関する課題も浮き上がったという。戯曲の中には、有名な小説の一説など他の著作物を使用していることもあった。こうした戯曲を公開する際には、戯曲そのものは無料であっても、その部分の使用料がかかるものもあるという。

   そのため、場合によっては戯曲を書き変えてもらったり、使用の許諾を取ったりすることがあったという。丸尾さんは、「今後戯曲周りの著作権を考える一つの出発点にもなったと思います」と振り返った。

   最後に丸尾さんはこのアーカイブ公開について、「戯曲が好きで演劇が好きで情熱があってできたことは間違いないです。単に仕事だったらできなかったと思います」と話した。丸尾さんにとっての戯曲の魅力を聞いてみた。

「架空のキャスティングをするのも楽しいです。戯曲自体は作家一人が作った完結した世界かもしれませんが、たくさんの演出家やスタッフが関わることで作家も思いがけなかった膨らみ方をすることがあります。演劇の原点の戯曲があって初めて広がる世界があり、そういった点が戯曲の魅力です」

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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