韓国の男性音楽グループ「BTS(防弾少年団)」を侮辱するようなカードを制作したとして、米トップス社は2021年3月17日(現地時間)、SNS上に謝罪文を掲載した。
「まさに人種差別的なものです」
カードは、今年のグラミー賞を記念して作られた。ブルーノ・マーズさんやテイラー・スウィフトさん、ビリー・アイリッシュさんなど授賞式に出演したアーティストを風刺画にしている。惜しくも受賞を逃したBTSも選ばれた。
BTSのカードは、メンバーの7人が"もぐらたたき"のもぐら役として描かれている。グラミー賞のトロフィーをハンマーに見立て、あざや傷だらけのメンバーがおびえながら顔を出す。カード下には「Kポップをぶっ叩く」とも書かれている。
デザインが発表されると、米国内外で大きな批判を集めた。日本でも「ARMY(アーミー)」と呼ばれるBTSのファンを中心に怒りがぶつけられている。ツイッターでは今回の風刺画への批判の意を込めて、ハッシュタグ「#RacismIsNotComedy」をつけた投稿も相次いでいる。
米紙USAトゥデイの編集者のファティマ・ファラー氏は「まさに人種差別的なものです」「アジアのグループに対するあのような暴力を描くことは、憎しみと危険を伴うものです」とツイッター上で強く非難している。
CNNなど複数の米メディアは今回の騒動を、国内で増加しているアジア系住民へのヘイトクライム(憎悪犯罪)と結びつけて報道している。
米トップス社は17日、「私たちは憤慨している消費者の声を理解している」などとしてSNS上に謝罪文を掲載し、BTSのカードを販売しないと発表した。
しかし、具体的な問題点を示さずに形式的な内容に終始していたため、ツイッターでは「謝罪じゃないよねこれは」「根本的なことを全く理解していない」といった反応が少なくない。