バスが停留所で客待ちをしている間に漫画を読む運転手の写真が、ツイッターに投稿され、論議になっている。
乗客がバックミラーに映ったその姿を撮っていた。指摘を受けたバス会社は、事実関係を確認できなかったとしながらも、「運行に不要な物品は所持できないので、指導の対象になる」としている。
「客が乗ってる状況ならダメだな」「勤務中でも休憩中だろ」
ネクタイに制服姿のバス運転手が、漫画の単行本を両手に持ち、目を通している。その手元がバックミラーにくっきりと映っていた。
この写真は、2021年3月12日にツイッターで投稿された。
投稿者は数日前、バスが始発停留所で客待ちをしている間に車内で目撃したといい、運転手は勤務中なので客の乗車に注意するべきだと苦言を呈していた。
この投稿は、大きな反響を集め、ネット掲示板でも論議になった。運転手の行為には、賛否を含めて様々な意見が寄せられている。
投稿者と同意見も多く、「客が乗ってる状況ならダメだな」「乗車していて不安になるからやめてもらいたい」「バスの中じゃなくて乗務員用の休憩室で見ろよ」「そもそもバスの中に漫画持ち込んでる時点でおかしい」などと疑問や批判が出ている。
一方で、「勤務中でも休憩中だろ」「運転中に読んでるわけではないのだから」「別にこれぐらいならいいんじゃね」「休憩無しで安全運転でけへんやろ」などと運転手を擁護する声も同様に多い。投稿者のツイッターアカウントは、その後削除されてしまった。
このバスの運行会社は16日、J-CASTニュースの取材に対し、こう答えた。
事実であれば「指導の対象」
「担当部署に状況を聞きましたが、撮影日時や場所などが分からず、バスを特定できませんでした。こちらには、数百台もの車両があり、バスや運転手がうちに所属するかも確認できていません」
ただ、今回の運転手のような行為があった場合については、こう言う。
「バスに乗務するに当たり、運行に不要な物品を所持してはならないと、社内規則で定めてあります。こうした行為が見つかれば、指導の対象になります。スマートフォンも、個人ロッカーに入れておく必要があります」
国交省の安全政策課は3月15日、「運転手の行為がもし事実だとすれば、一般的なモラルとして問題になります」と取材に答えた。
「バスに乗客を乗せている状況は、会社に拘束されている時間に入りますので、漫画を見るのは適切ではないと考えられます。事業者がバスの運転手に対して教育がしっかりできているのか、国交省としても指導していくことになると思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)