5代目「つばめ」と2代目「みずほ」を比較すると...
メンバーが指摘するように、「つばめ」「みずほ」は、九州新幹線を走る列車の愛称だ。「つばめ」は博多~鹿児島中央を結ぶ各駅停車、「みずほ」は新大阪~鹿児島中央を結び、停車駅が少ないタイプだ。その意味では「みずほ」が「優等列車」だが、両列車の系譜をたどると、印象は変わってくる。
「つばめ」は、1930年に東京~神戸間で運行を始めた特急「燕」がルーツ。従来よりも所要時間を2時間以上も短縮したことから「超特急」として人気を集めたが、戦局が厳しくなって1943年にいったん廃止された(初代)。名称が復活したのは戦後の50年、前年の49年に東京~大阪で運行が始まった特急「へいわ」の愛称を変更する形で「つばめ」が登場した(2代目)。64年の東海道新幹線開業後は主に関西と九州を結ぶ特急として活躍。山陽新幹線が博多まで開通する75年まで走った(3代目)。
「つばめ=九州の列車」というイメージが定着したのは92年に登場した4代目からだ。主に博多~西鹿児島(現・鹿児島中央)を結んでいた「有明」を、最新鋭の787系電車のお目見えに合わせる形で「つばめ」に改称した。2004年に九州新幹線が新八代~鹿児島中央で部分開業。その際に登場した800系電車に5代目として「つばめ」の名前を引き継ぎ、11年の全線(博多~鹿児島中央)開業を経て今に至る。
「みずほ」は、1961年に東京~熊本を結ぶ寝台列車として登場。多くの時期を、いわゆる「ブルートレイン」として活躍し、一時期は一部を分割して大分や長崎に向かう編成もあった。その後ブルートレインの乗客が減少した影響で、94年に廃止された。2011年の九州新幹線全線開業で、17年ぶりに名称が復活した。
こういった経緯を総合すると、「つばめ」の方が歴史的に格上だが、「みずほ」の方が今は勢いがある、といった状況だといえそうだ。