阪神・中日「まさかの開幕投手」の真意 目先の1勝より「巨人包囲網」を優先か

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    リーグ3連覇は絶対にさせない――開幕から他球団の「巨人包囲網」が敷かれている。

   昨季のセ・リーグAクラス、阪神と中日の両球団は、エース投手の開幕戦登板をともに回避した。こうした動きは、巨人との戦いをにらんだ戦略だとみられる。

  • 藤浪晋太郎投手(2017年、写真:AP/アフロ)
    藤浪晋太郎投手(2017年、写真:AP/アフロ)
  • 大野雄大投手(写真:Penta Press/アフロ)
    大野雄大投手(写真:Penta Press/アフロ)
  • 藤浪晋太郎投手(2017年、写真:AP/アフロ)
  • 大野雄大投手(写真:Penta Press/アフロ)

福谷「大炎上」でも開幕変わらず

   中日の開幕投手は昨季8勝をマークした福谷浩司。19、20年と2年連続最優秀防御率を獲得し、昨年は沢村賞を獲得したエース左腕・大野雄大が大本命とみられていただけに、驚きの声が上がった。

   福谷は10日の西武戦(ナゴヤ球場)で3回12安打10失点と大炎上したが、与田剛監督は26日の開幕・広島戦(マツダ)の先発登板に変更はないことを明言した。なぜ、大野は開幕を回避したのだろうか。

「コンディションが上がっていないことを理由に挙げている報道はありますが、7日の楽天戦(バンテリンドーム)で3回2安打無失点、無四球で毎回5奪三振と完ぺきな投球を見せている。

昨季の疲労も考慮して春季キャンプでスロー調整だったのは確かですが、あのクラスの投手は放っておいても開幕にきっちり合わせる。開幕投手を福谷にしたのは、大野を30日の開幕2カード目の巨人戦(バンテリンドーム)に先発させて叩きたいという狙いがあるのでしょう」(スポーツ紙中日担当記者)

   大野の昨季の成績を見ると、巨人戦は2勝2敗、防御率1.32。本拠地開幕戦で迎える巨人戦はチームが勢いに乗るために是が非でも勝ちたい。大野が昨季本拠地で9勝2敗、防御率1.14と抜群の相性の良さを誇ったのも判断材料になっただろう。

「開幕藤浪」が意味すること

   阪神の開幕投手も「まさか」の声が上がった。

   指名されたのは昨季1勝に終わった藤浪晋太郎。エースの西勇輝は開幕2カード目の初戦となる30日の広島戦(マツダ)に回る。この先発の配置にも長丁場のペナントレースを見据えた戦略が見え隠れする。

   西が火曜日でローテーションを回ると、3、4月は広島、巨人、広島、巨人戦での登板となる。昨季は広島戦で4勝0敗、防御率2.00とキラーぶりを発揮。巨人戦も3勝1敗、防御率1.77と好成績を残している。チームは昨年開幕3連敗を喫するなど巨人戦で8勝16敗と大きく負け越し、V逸の原因となった。エースで宿敵を叩き、開幕ダッシュを狙う。

   他球団の首脳陣はこう話す。

「今年は各球団のエースを巨人戦にぶつけるローテーションになるでしょう。昨年は早々と独走を許してしまっただけにその二の舞だけは避けたい。戦力を見ても巨人が頭抜けているわけではない。混戦になればどこのチームも優勝のチャンスが出てくる。何としてでも巨人のリーグ3連覇は阻みたいですね」

   開幕から敷かれる巨人包囲網。果たしてこの戦略は吉と出るか。

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