「それまで被災地へ目を向けていた人が...」
井上さんは「黙祷なう」が廃れた背景について「批判を受けてやめたという人も多いのではないか」「2010年代初頭は『旬なワード』だった『なう』が、今は『古い言葉』になってしまった」とその理由を分析。ただ、一番の要因として、ツイッターユーザーの震災に対する「意識の変化」があったのではないかと指摘する。
「時が経つにつれて、震災時の記憶が薄れていった人も多いのだと思います。昨年からは新型コロナウイルスの問題が表面化してきました。それまで被災地へ目を向けていた人が、コロナ禍以降、目の前の問題に対処することで精一杯になってしまった、というケースも少なくないでしょう」
では、少数ながらも「黙祷なう」とツイートした人たちの心理はどういったものだったのか。井上さんは、次のように分析する。
「『震災を風化させてはいけない』という思いをもって、つぶやかれている方が大半だと信じたいです。ただ、中には『目立ちたい』『承認されたい』という動機でツイートする人も、やはりいるのではないでしょうか」