「電波オークションを導入する考えは?」 メディアにスルーされた菅首相会見の質疑応答

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「電波オークション」の単語使って首相会見報じたのは...?

   菅氏は、

「放送を含む情報通信分野というのは、技術革新や国際競争が極めて激しく、国家戦略的な対応が求められる。そういう意味の中で、機動的、一体的、総合的な対応を可能とする独立した省の形で大臣が責任を持って迅速に行政を執行する制度、今、日本はなっていると思う」

として、総務省が放送局や無線局の免許に関する権限を握る現状は妥当だとの認識を示した。

   一方で、質問の後段については

「電波そのものについては、インターネット、そういう中で放送と通信の境がなくなってくるとか、いろいろな状況になってきているのも、これは事実だと思います。そうしたことをもう少し検討する必要があるのではないかなと思っています」

と答弁。電波オークションの検討に前向きな姿勢を示した。

   ただ、この日の会見のやり取りを「電波オークション」の言葉を使って報じたのは、新聞では産経新聞がウェブサイトの「詳報」で触れただけで、ほぼ「黙殺」状態だ。キー局と新聞社が互いの株を持ち合う「クロスオーナーシップ」の影響で、新聞も電波の割り当てに代表される電波行政の検証は難しいとの批判は根強い。

   実は、電波オークションに向けた動きは、少しずつ進んでいる。19年の電波法改正では、携帯電話などの電波の割り当ての申請をする際に、申請する周波数の経済的価値を「評価額」として提出し、この評価額が審査項目として加わるようになった。これまでの審査項目と合わせて「評価額」も審査されるようになり、周波数割り当ての際に電波オークションの要素が加わったといえる。

   菅氏は20年10月29日の衆院本会議でも、電波オークションの検討について言及している。日本維新の会の馬場伸幸幹事長の質問に答える形で、19年の法改正に言及しながら

「オークション制度については、メリット、デメリット、導入した各国におけるさまざまな課題も踏まえ、引き続き、総務省において検討していくこととしている」

と述べている。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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