下村博文・自民政調会長も「中止も考えないと」
折も折、自民党の重鎮、下村博文政調会長も「東京五輪の中止」に言及した。時事通信(3月4日付)「五輪中止の可能性に言及『主力国の参加無理なら』下村自民政調会長」がこう報じる。
「自民党の下村博文政調会長は3月4日のBS11番組で、東京五輪・パラリンピックの開催の可否について『主力国の選手が大量に来られない場合は国際オリンピック委員会(IOC)も考えざるを得ないだろう』と述べ、中止の可能性に言及した。下村氏はまた、政府が海外からの観客受け入れの見送りを検討していることに関し、『選択肢としてはあり得る』と指摘。首都圏の新型コロナの感染状況などを踏まえ、1カ月程度で結論が出るとの見通しも示した」
というのだ。
自民党の下村博文政調会長は今年1月20日、欧米メディアから「東京五輪中止論」が取り沙汰された時はすぐさま記者会見を開き、
「東京五輪中止は100パーセントない。菅義偉首相も(衆院本会議で)強い決意を述べている」
と自信を持って打ち消しに務めていた。どういう状況の変化があったのだろうか。
下村氏がテレビ番組で「東京五輪中止」に言及した前日の3月3日、東京五輪・パラリンピック開催に向けての組織委の橋本聖子会長、東京都の小池百合子知事、丸川珠代五輪担当相、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長による5者会議がオンラインで開かれた。
しかし、「開催」を確認しただけで、海外からの観客受け入れの是非など重要なことは何も決めず、結論を4月に持ち越した。この5者会議の結果について海外メディアは厳しい目を向けた。