浮かび上がった「3つの共通点」
「社会への反抗」を歌った『うっせぇわ』と、コミックソングの『ウッセー・ウッセー』。曲名の類似性、「うっせえ」という歌詞が出てくる以外は、全く性質が違えるように思える2つの楽曲だが、歌詞を比較すると「3つの共通点」が浮かび上がってきた。
一つ目は「うっせえ」というフレーズにかけた、「言葉遊び」的な要素があるという点だ。『うっせぇわ』では「うっせぇうっせぇうっせぇわ くせぇ口塞げや」と、「うっせえ」と「くせぇ」で韻を踏む箇所がある。一方の『ウッセー・ウッセー』も「ウッセーウッセーウッセー 小せえ勉強せえ」と、こちらも「せえ」で韻を踏んでいる。
二つ目は歌い手の「自信」があらわれているという点だ。『うっせぇわ』では「俗に言う天才」「現代の代弁者は私」と、社会のルールに反抗する自身の正当性を示している部分がある。一方の『ウッセー・ウッセー』も、「歴史はオイラをきっと認めるぜ」と、発明家としての自信を表現している。
そして三つ目は、他者に対して「うっせえ」と怒りをぶちまけた果てに、最終的には「我に返っている」という点だ。『うっせぇわ』では、歌の終盤に「あたしも大概だけど」と、一瞬だけ「うっせえ」と言い続けてきた自分を顧みる箇所がある。一方の『ウッセー・ウッセー』も「AHH 孤独だなあ」と、歌詞の最後で心の虚しさを伝えている。
時代を超えて生み出される「うっせえソング」。その本質は、案外変わっていないのかもしれない。