「コミックソングとしては高水準の出来」
尾崎さん、チェッカーズともに、デビューシングルとして先述の2曲を世に送り出したのは1983年だ。では、これ以前に出された曲の中で、『うっせぇわ』と比較しうるような曲はないのだろうか。J-CASTニュース編集部が調べを進めると、1979年にリリースされた、あるお笑いコンビの楽曲に行き着いた。
その曲名は『ウッセー・ウッセー』。奇しくも「うっせぇわ」とかなりよく似ている。歌っているのは、71年結成の漫才コンビ「星セント・ルイス」だ。80年には「田園調布に家が建つ」というネタで一世を風靡した。03年にコンビを解散し、04年にはボケのセントさん、05年にはツッコミのルイスさんが亡くなっている(ともに享年56歳)。
そんな人気コンビが歌った楽曲『ウッセー・ウッセー』は、当時流行していたディスコミュージックの影響を感じさせる、アップテンポな曲調だ。榎雄一郎氏作詞の歌詞は、ルイスさんが何をやってもうまくいかない発明家のセントさんをバカにして、それにセントさんが「ウッセー、ウッセー」と言い返すというもの。面白おかしい音楽、いわゆる「コミックソング」の類と言っていいだろう。
実際に同楽曲が収録されているコミックソングのコンピレーションCDアルバム「SMILE」(Sony Records、2002年発売)の解説では、「テンポの良い漫才からは、音楽的センスも持ち合わせていたことが察せられ、コミックソングとしては高水準の出来」と評されている。