ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が台湾へ進出してから1か月以上が経過し、現地での評判もインターネット上で目に入るようになってきた。その中で気になるのが「高級食品」についての指摘だ。桐箱入りのウニが1万9999台湾ドル(約7万7588円/2021年3月5日時点のレートで計算、以下同)で売られるなど、「驚安の殿堂」で知られる日本のドン・キホーテとは少々趣向が異なるようだ。
台湾では一体どんな戦略で店舗を運営しているのか。ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、東京都目黒区)に聞いた。
台湾の人気YouTuberもこぞって現地レポート
「DON DON DONKI 西門(シーメン)店」が台湾・台北市にオープンしたのは21年1月19日。24時間営業で日本の商品が勢ぞろいしているという触れ込みで上陸し、新型コロナウイルス禍で海外旅行に行けないフラストレーションも手伝って、入場までに30分以上並ぶ盛況ぶりが続いた。
台湾の人気YouTuberもこぞって現地レポートしており、「日本のカップラーメンが色々選べるので良い!!」「日本旅行の気分を味わえる」など評判は上々。焼き芋やりんご飴などのお祭り風屋台で客を楽しませるエンタメ性も取り入れていることから、着実にファンを増やしている。一方で開店から1か月が過ぎ、現地からは生鮮食品を中心に「割高感」を気にする声も聞こえる。
実際、西門店には日本直送の果物や和牛などが売られているが、その中には近江牛200グラム1980元(約7690円)、桐箱入りのウニ1万9999元(約7万7588円)など、高額な商品が点在するのが驚きだ。現地の一般的なスーパーで牛肉を購入する場合、店によって多少は変動するが100グラムあたり100元前後。これと比較すれば「高級品」と言える。
日本では「安さ」が特徴のドン・キホーテ。こうした品揃えだけ見ると、台湾では「高級路線」の運営をしているようにも思える。だがPPIHの広報は3月4日、J-CASTニュースの取材に対し、「西門店はじめ、アジアで展開しております店舗につきましては、高級路線の運営を行っているというわけではございません」として、次のように戦略を説明した。