抱き続けてきた「都会への思い」、それでも「福井に住んでいてよかった」
生まれてからずっと福井県で暮らしてきたというAkineさん。SNSに投稿された写真のほとんどが、福井県で撮られた写真だ。地元を走る「えちぜん鉄道」や大型商業施設「ユニー」など、地方都市ならではの暮らしぶりを感じさせる写真も多くあり、実際に「『地方っぽさ』にノスタルジーを感じてもらえる人も多い」という。
ただ、Akineさんは写真を始める前、地元に対して複雑な思いを持っていたという。
「こうして生活しているから言えることですが、正直、福井ってなにもないんですよね(笑)。『都道府県魅力度ランキング』でも、下から数えた方が早いくらい(20年は44位)。やっぱり、『都会がうらやましい』と思うこと、都会への憧れを抱くことはありました」
GoToトラベルキャンペーンの実施で一時的に観光への機運は高まったものの、基本的には県外への移動がしづらい空気があるコロナ禍の日本。Akineさんは「地元で写真を撮り続けているのは、実際のところ『コロナの影響』だからというのもあります。都会へ写真を撮りに行きたいと思っても、行けない。県外に行くとしても、なるべく人の少ないところに行くしかないという状況です」と話す。
それでも、今の状況を決して悲観しない。
「地元で写真を撮り、発信し続けることで得られた気づきもあります。それは、ありふれた、何気ない風景こそが『地元の魅力』なのだということ。写真を始める前の自分には、気づけなかったことです。今はむしろ『福井に住んでいてよかった』と思っています」
Akineさんは「まだ表に出していない写真も沢山あります。今後は『新たな表現』も模索していけたらと考えています」と展望を語る。全国、そして世界へ向けて、今日も地元の「ありふれた」景色を発信し続ける。
(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)
アニメのワンシーンのように。 pic.twitter.com/Dg6FpL3BZh
— Akine Coco (@akinecoco987) June 2, 2020