コロナ禍の今、SNS上で注目を集めている写真家がいる。
福井県で活動するAkine Cocoさんだ。「アニメのワンシーンのような風景」というテーマで、連日SNS上に写真を掲載。ツイッターのフォロワー数は19万人を超え、2021年2月20日には写真集『アニメのワンシーンのように。』(芸術新聞社)の出版も果たした(フォロワー数は3月6日時点)。
生まれてからずっと福井で暮らしてきたというAkineさん。だが、長引くコロナ禍で「都会へ写真を撮りに行きたいと思っても、行けない」と葛藤を口にする。地元で写真を撮り続ける中、見出したものとは。J-CASTニュースは2月18日、オンライン取材で胸の内に迫った。
埃を被ったカメラ...ある日見た「夕日」が転機に
「何気ない場所も愛おしく感じる」(21年2月23日)
「大切なものはすぐそばにあった。」(21年1月26日)
Akineさんの写真は、こうした短文とともにSNS上に投稿される。四季折々の風景を柔らかなタッチで描写した作風が特徴だ。ひとたびツイッターに写真が投稿されれば、あっという間に多くのリツイートや「いいね」を集める。日本だけでなく、海外ユーザーからの反応も少なくない。
実はAkineさん、普段は会社員として働き、休日など空いた時間に写真を撮っているアマチュアのカメラマンだ。4年ほど前に「旅行に行ってスマホで写真を撮っているだけでは寂しい」と思い、ミラーレスの一眼レフカメラを購入。それでも「しばらくは埃を被っていた」というほど使用頻度は低く、本格的に写真撮影をはじめたのは19年6月だった。同年8月には、撮った写真を投稿する目的でツイッターアカウントを開設。ただ、「はじめは特にコンセプトなどを設けて活動していなかった」という。
転機となったのは20年の春だ。
「帰り道に見たきれいな夕日を写真に収めたら、まるで新海誠作品(『君の名は。』『天気の子』など)のようだった。自分がアニメ好きだったこともあり、ここから『アニメのワンシーン』のような風景写真を追求していきたいと思いました」