コロナ禍で活動が大幅に制限された新会社の1年
HKT48は、フルリモート劇団「劇団ノーミーツ」のサポートを受けながら、HKT48のメンバーが企画・脚本・演出・宣伝・上演などを全て担当するプロジェクト「HKT48、劇団はじめます」の作品を21年2月に上演し、アイドルファン以外からも高い評価を得た。これが指原さんの言う「新しい事」のひとつだとみられるが、新体制発足からの1年は総じて厳しい経営を迫られた。
20年4月に新曲「3−2(さんひくに)」を発売したものの、コロナ禍でプロモーションの機会はきわめて限られた。20年春を予定していた新劇場のオープンも11月にずれ込み、その後も座席数を減らしての公演や、緊急事態宣言の再発令後は無観客での公演を余儀なくされた。こういった対応でグループとしての売り上げが減る一方で、グループを維持するための固定費は必要で、新規の投資が困難になっている可能性もある。
活動スケジュールとの兼ね合いも課題だ。いったんは新曲の発売が21年3月10日に計画されたが、緊急事態宣言の再発令で延期が決まっている。グループが拠点にする福岡市では宣言が2月28日に解除されたことを受け、今後はレコーディングやミュージックビデオ(MV)撮影の動きが活発化するとみられる。仮に何らかの形でコストの問題が解決できたとしても、新公演に向けた動きが本格化するのは新曲関連の活動が一段落してからになりそうだ。