田村厚労相「これだけで解除する、しないは決めないが...」
この大幅な変更が行われたのは2月26日。緊急事態宣言の延長の是非が焦点になってきたこともあって、この基準変更の経緯について疑問視する質問が3月2日午前の加藤勝信官房長官の会見で出たほか、3月4日の参院予算委員会の審議でも日本維新の会の音喜多駿参院議員が質問した。
音喜多氏は、
「東京都は2月下旬に突如、重症病床使用率を大幅修正したあと、その詳細な検証は行っていないと承知している。修正後の数字に基づいてさかのぼると、医療資源はどのような推移をたどったのか。そもそも1000というキリのいい数字は正確なのか。こうしたことを少なくとも厚労省はつまびらかに現時点では共有・把握をしていない。このようにきわめて重要なデータがあやふやな状態で、緊急事態宣言の延長を要請する東京都は、私は非常に無責任だと思う」
などと指摘。菅義偉首相が3月3日、1都3県の緊急事態宣言を2週間程度延長することを検討すると発表したことを念頭に、
「延長においては、正しい客観的指標に基づいた、慎重な判断をなされるべき」
だと指摘した。答弁に立った田村憲久厚労相は、都が国の基準に合わせるようになった経緯を説明した上で、
「これだけで解除する、しないは決めないが、これをひとつの指標として考えさせていただく、ということだ」
などと述べた。