韓国で発売された、レゴのようなプラスチック製ブロック玩具をめぐり、ネット上で騒ぎが広がっている。初代韓国統監として知られる伊藤博文が1909年にハルビン駅で暗殺される様子をモチーフにしているからだ。
この玩具は2020年4月に発売されたが、21年に入り3月1日に日本統治下の朝鮮半島で独立運動が起こった韓国の記念日(3・1節)を迎えるのを前に、ネット上で「発掘」。「日本人殺害ごっこ」を子供にさせるのか、などと日本ユーザーの一部で非難の声があがっている。
「独立闘士」の人形が銃を持ち、銃撃された「伊藤博文」が後方に倒れる
問題になっているのは「独立軍 ハルビン義挙」「独立軍 フィギュアセット」と題した2つのパッケージ。釜山市のおもちゃメーカー「オックスフォード」が20年4月に発売した。
「独立軍 ハルビン義挙」には450個のブロックや関連部品が入っており、組み立てると、蒸気機関車と「ハルビン」の行き先が入った客車、燃料を運ぶための貨車が現れる。「補佐官」「伊藤博文」「独立闘士」「ロシア兵士1」「ロシア兵士2」の5体の人形も入っている。パッケージ写真は、伊藤を暗殺した安重根(アン・ジュングン)を念頭に置いたとみられる「独立闘士」の人形が銃を持ち、銃撃された伊藤博文が後方に倒れる様子が描かれている。安重根は、日本政府が「テロリスト」とみなす存在だが、韓国では「義士」だとみなされている。
「独立軍 フィギュアセット」は、独立運動家5人の人形を収めたセットだ。韓国の「Xスポーツニュース」によると、尹奉吉、金九、柳寛順、尹東柱、安重根の5人をイメージし、当時のデザインの太極旗(後の韓国国旗)やピストル、手榴弾といった小道具もついている。