予備校「武田塾」一部校舎で「やらせ口コミ」 社員が塾生装い高評価投稿...運営会社が謝罪

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   予備校「武田塾」の一部校舎の社員が、口コミサイトで塾生を装い好意的な書き込みをしていたことが2021年3月2日、J-CASTニュースの取材でわかった。

   運営会社は取材に対して事実を認め、「みなさまに多大なるご迷惑・不愉快な思いをさせてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

  • 武田塾公式ユーチューブチャンネルより
    武田塾公式ユーチューブチャンネルより
  • 流出した社内文章(編集部で一部加工)
    流出した社内文章(編集部で一部加工)
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  • 流出した社内文章(編集部で一部加工)

「同じ回線で投稿しないこと。アンパイはモバイルデータ通信」

   武田塾は「日本初!授業をしない」のキャッチコピーを掲げ、全国で300校舎以上を展開する。

   「やらせ」口コミが発覚したのは、千葉県柏市にある校舎。同校の関係者とみられる人物が、従業員が参加するグループチャット上のやりとりを収めたキャプチャー画像をインターネット掲示板で公開した。

   画像では、社員が26人の従業員に対し、校舎の知名度を向上する目的で「Googleマップの検索順位UPを目指したいです。そしてこちらでやれることのひとつとして『口コミ投稿』をお願いします」と呼びかけるメッセージが確認できる。

   「Googleアカウントで★5評価をつけ、生徒目線で軽く口コミを投稿」と口コミの文章例とともに具体的な指示もしている。

   Googleマップは、米グーグルが提供する地図サービス。訪問した場所などに最大五つ星の評価と口コミを投稿できる。

   「講師の名前が分からないアカウントで操作する」「校舎のWi-Fiなど、同じ回線で投稿しないこと。アンパイはモバイルデータ通信です」と注意事項も挙げており、

「同時刻に一気に投稿しないこと。他校者(原文ママ)でこれをやってしまい、投稿が反映されませんでした」

と、他校舎でも同様の行為をしているとうかがわせる一文もあった。

「今後同じことを繰り返さないように努めます」

   グーグルマップの口コミを充実させるなどして、検索時に自社の地図情報の上位表示を目指す施策は「MEO(マップエンジン最適化)」または「ローカルSEO(検索エンジン最適化)」と呼ばれる。一般的なウェブマーケティング手法で、注力する企業は少なくない。

参考:学習塾の検索結果
参考:学習塾の検索結果

   しかし、武田塾のように消費者を装った宣伝行為は、いわゆるステルスマーケティング(ステマ)に該当する。グーグルも「自分の店やサービスのクチコミを投稿すること」を禁止している。

   柏市の校舎を運営するアカデミー・オブ・ファースト・パシフィック(東京都目黒区)は2日、J-CASTニュースの取材に「この度は、弊社が運営しております柏校で不適切な指示があり、みなさまに多大なるご迷惑・不愉快な思いをさせてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます」と事実と認め、謝罪した。

   同社は、武田塾を運営する「A.ver」(東京都文京区)のフランチャイズ加盟店に当たり、約40校舎を展開する。

   同社によれば、校舎長の指示で社員が口コミ投稿を依頼し、「校舎長の認識の齟齬(そご)により起こった事案」と説明する。動機は「グーグルの口コミ掲載がなく、数を増やすため」。

   会社や本部であるA.ver社の関与は「一切ございません」と否定した。チャット上では他校舎での実施も示唆されていたが、「他校舎で行ったという報告は受けておりません。校舎長からは『そのような話を聞いたことがあったため』に書いたと聞いています」と釈明する。

   関与した社員には厳重注意をし、「社員研修や制度を見直し、今後同じことを繰り返さないように努めます」としている。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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