巨人・田口麗斗とヤクルト・廣岡大志の交換トレードは、野球ファンにも大きなインパクトを与えた。
そもそも、同一リーグでのトレードは極めて珍しい。両球団の交換トレードは、76年12月のヤクルト浅野啓司と巨人倉田投手以来44年ぶり。今回は巨人が放出した選手が主力左腕の田口だったことも驚きだった。
廣岡の放出は苦渋の決断?
田口はプロ3年目の2016年シーズンに10勝、翌17年に13勝4敗と大きく勝ち越して左のエースに。18年は2勝止まりと苦しんだが、19年に救援に配置転換されると、55試合登板で14ホールドと縁の下の力持ちでリーグ優勝に貢献している。今季は先発での活躍が期待された矢先に、同一リーグのヤクルトへのトレードが決まった。
19年に10本塁打を放つなど23歳の若手成長株・廣岡を出血覚悟で出したヤクルトの決断は、投手陣強化に本腰を入れていることを意味する。
2年連続最下位に沈んだ今オフは、前人未到のトリプルスリーを3度達成した山田哲人、エース・小川泰弘、守護神・石山泰稚と主力がそろって残留したが、課題が解消されたわけではない。低迷の原因は投手陣だ。
昨季はリーグワーストのチーム防御率4.61。救援陣を見渡すと清水昇が30ホールドで最優秀中継ぎ投手を受賞し、梅野雄吾、長谷川宙輝が経験を積んでマクガフもいる。抑えの石山につなぐ陣容はそろっているが、深刻なのは先発陣のコマ不足だ。