「当時の日本政府の判断は、今日振り返っても妥当性を失うものではなく」
政府が閣議決定した公式見解も、イラクへの武力攻撃は「正当化される」との立場だ。16年8年の逢坂誠二衆院議員の質問主意書に対する答弁では、イラクへの武力行使は、イラクへの査察受け入れや武装解除を求めた国連安保理決議第1441号など、関連する決議を理由に「正当化されると考えている」とした上で、当時の日本政府の判断は妥当だったと主張している。
「イラクは、12年間にわたり、累次の安保理の決議に違反し続け、国際社会が与えた平和的解決の機会をいかそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしなかった。このような認識の下で、我が国は、安保理の決議に基づきアメリカ合衆国、英国等の各国によりとられた行動を支持したものである。こうした当時の日本政府の判断は、今日振り返っても妥当性を失うものではなく、政府として改めて当該判断について検証を行う考えはない」
英国ではイラク戦争開戦の経緯について独立調査委員会(チルコット委員会)が16年7月に報告書を公表。報告書では「当時、軍事行動は最終手段ではなかった」として、当時のプレア政権が開戦を決めた判断は誤りだったと指摘している。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)