店長は「保健所に話を聞いて下さい」
太洋電機産業によると、10年ぐらい前までは鉛をはんだに使っていたが、それ以降の製品は、すずや銀、銅の無鉛はんだを使っている。鉛は、ごく微量含まれているが、国際的な基準は満たしているという。こて先の先端部分は、銅に鉄メッキをしてある。
「新品ならはんだが乗っており、高温で溶けてしまい、体内に入ると金属が蓄積される恐れがあります。何度も使っていれば、はんだがなくなり、それ以外は溶けませんので、調理するときに先端をやすりがけして、はんだを落としているのかもしれません。しかし、ガスバーナーであぶるのとは違って、はんだごてがネタに直接触れていますので、控えていただきたいとは思っています」
鮨ノ蔵の店長は3月1日、J-CASTニュースの取材に対し、「保健所に話を聞いて下さい」とだけ答えた。
札幌市中央保健センターの生活衛生担当課長は同日、はんだごてを使った調理について、取材にこう話した。
「今回の件については、本日電話で確認のために聞き取りをした結果、鉛ではなく鉄のみを使用していると回答がありました。もしそうであれば、食品衛生法上の規格基準上問題はないと考えています」
厚生省(現厚労省)から食品衛生法に基づき1959年12月28日に告示された「食品、添加物等の規格基準」によると、第3のAにこう定められている。
「器具若しくは容器包装の食品に接触する部分の製造又は修理に用いるハンダは、鉛を0.2%を超えて含有してはならない」
つまり鉛のはんだは、基準外となる可能性が高いが、鉄メッキの先端部分だけなら基準内ということになるようだ。
なお、中央保健センターの担当課長は、鮨ノ蔵が3月2日以降にフェイスブックで客への説明を行うと聞いたとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)