プロ野球の巨人、ヤクルト両球団は2021年3月1日、巨人・田口麗斗投手(25)とヤクルト廣岡大志内野手(23)の交換トレードが成立したことを発表した。
右打ち内野手の層を厚くしたい巨人と先発投手陣の立て直しが急務だったヤクルトの思惑が一致したもので、公式戦開幕まで1カ月を切ったタイミングでの電撃トレードとなった。
田口は巨人での7年間を振り返り「非常に濃い時間でした」
田口は巨人時代に先発と中継ぎで実績を残した左腕だ。2016年には10勝をマークし、翌17年には13勝を挙げた。19年には中継ぎとしてチームのリーグ優勝に貢献。昨年は開幕ローテーション入りを果たすなど首脳陣から大きな期待を寄せられていたが、故障などでローテに定着出来ず、終盤は中継ぎにまわった。
田口は球団公式サイトを通じて「ジャイアンツでの7年間は、非常に濃い時間でした。監督、コーチ、仲間たち、スタッフの方たちに助けられて、ここまでやってこられたと思います。ジャイアンツの皆さんには、本当に感謝しています。東京ヤクルトスワローズでも、田口麗斗を応援してもらえるよう頑張ります」と新天地での活躍を誓った。
一方の廣岡は15年のドラフトでヤクルトから2位で指名を受けて入団。パンチ力のある打撃が魅力で、守備は遊撃手に加えて二塁や外野などのポジションもこなす。ルーキーイヤーの16年9月29日のDeNA戦で1軍初スタメンを果たすなどポテンシャルは高く、チーム内での競争が激しい巨人でもまれることでさらなる成長が期待される。
電撃トレードに廣岡は「突然のことで正直、驚いています」
廣岡は今回のトレードに関して「突然のことで正直、驚いています。スワローズには入団してから5年間、たくさんの方々にお世話になり、大変感謝しています。新天地で活躍することが、皆さんへの恩返しにもなると思いますので、新たな気持ちで頑張っていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします」と球団公式サイトを通じてコメントした。
開幕直前の同一リーグによる異例のトレード。この背景には、「選手を飼い殺しにしない」という巨人サイドの意向があったとみられる。巨人は昨年5件のトレードを成立させており、9月にはロッテと交換トレードで澤村拓一投手(現レッドソックス)がロッテに移籍。巨人でくすぶっていた澤村は新天地ロッテで復活の兆しを見せ、夢のメジャーリーグ入りを実現させた。
その一方で球界では新型コロナウイルスの影響で外国人選手の動向が不透明な状況にあり、春季キャンプに参加出来なかった選手が続出した。新外国人選手に関してはチーム合流のメドが立っていない球団もあるなかで、プロ野球関係者はJ-CASTニュース編集部の取材に対して次のように言及した。
「今シーズンは新型コロナウイルスの影響で外国人選手がどうなるか分からないので、戦力を国内で補充するためにトレードが活性化する可能性がある。なかでも巨人は昨シーズン、球団の方針で積極的にトレードを行いましたし今シーズンも同様に動くことが予想されます。チームにはくすぶっている選手がいる。外国人選手の状況次第では昨年のように開幕直後から動く可能性もあると思います」