コロナ禍の「格差」を象徴? 東京の一等地に高級ホテルが進出している理由

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三菱地所も高級ホテル計画

   出入国が厳しく制限されているコロナ下の日本では、ビジネスや観光のために訪れる外国人は大幅に減少している。近年著しく増加していた訪日外国人数は2020年に前年比87%減まで落ち込み、変異ウイルスが各国で広がりを見せる中では回復に時間がかかると見込まれている。

   それにもかかわらず、富裕層向けの投資が進むのは、コロナ対策による世界的な金融緩和を背景に株価が実体経済と乖離して上昇しており、株式などの金融資産を豊富に持つ富裕層が恩恵を受けているからだ。

   つまり、コロナ下の経済は「持てる者」と「持たざる者」の格差を広げており、現在は逆風に苦しむホテルであっても、富裕層向けに関しては勝算があると見込んでいるのだ。

   2027年度には、森ビルのA街区タワーを超える高さ約390メートルの超高層ビル「TOKYO TORCH(トウキョウ トーチ)」が東京駅北側にオープンする計画もある。こちらは三菱地所が中心にプロジェクトを進めており、高層部分(57~61階)には、やはり「国際級ホテル」の進出が予定されている。

   国内外の富裕層がくつろぐ超高層ビルの高級ホテルは、庶民にはとても手が届かない価格帯に設定されることは間違いないだろう。コロナ下のいびつな経済がもたらす格差拡大の先には、いったい何が待ち構えているのか。

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