アイドルグループ卒業後もタレントや歌手として芸能活動を続けようとする人が多い中で、名古屋・栄を拠点にするSKE48の運営会社「ゼスト」(東京都渋谷区)が、卒業メンバーを社員として採用する取り組みを始めた。
その第1号となったのが、2021年2月25日にグループ卒業を発表した竹内彩姫(さき)さん(21)。竹内さんは、SKE48メンバーとして所属していた事務所に就職することで「アイドルを経験したからこそ出来る可能性を存分に発揮したい」と意気込む。アイドルにとってのロールモデルになるかの試金石になりそうだ。
「今後のメンバーにも色々な可能性を感じてもらえたら」
竹内さんは12年に6期生としてSKE48に加入。20番目のシングル曲「金の愛、銀の愛」(16年発売)以降の全シングル表題曲に「選抜メンバー」として参加している。選抜総選挙での最高記録は16年の31位だった。
竹内さんは21年2月25日夜に名古屋・栄のSKE48劇場で行われた公演の終盤、グループ卒業とゼストへの就職を発表。
「これからもSKE48には関わる仕事をするので、今後立場は変わりますが、SKE48のために、たくさんたくさん動いていける存在でありたいと思います」
などと意気込んだ。
竹内さんは終演後にコメントを発表し、ゼスト入社の経緯と今後の予定について、
「卒業した先の道として芸能界に残ることなど色々考えましたが、中学一年生からこの世界で活動しており、次に私がやりたいことはなんだろうと考えた時に、芸能界ではなく支える側の人間とて働きたいという夢ができ、私はゼストでお仕事する道を選びました」
「スタッフとしてはこれからで、こんな事言うのはおこがましいですが、アイドルを経験したからこそ出来る可能性を存分に発揮したいと思っています。そして卒業した先にこういう道もあるんだと、今後のメンバーにも色々な可能性を感じてもらえたら嬉しいです」
などと説明した。
「アイドルとしてのセカンドキャリアを支援」
竹内さんのSKE48メンバーとしての活動は5月31日までで、6月1日付けでゼストに入社する。ゼスト関係者によると、同社には約100人の社員が在籍しており、竹内さんの採用を決めた経緯や契約形態、今後のSKE48出身者の採用見通しについて、
「今回、アイドルとしてのセカンドキャリアを支援する上で竹内本人と相談し、このような形となりました。契約に関わる部分もありますので、詳細については控えさせていただきます。担当する業務内容については現状未定となっております。新たにお伝えできることがあれば、改めて公式HPなどでお知らせいたします」
と説明している。
AKB48グループでは、AKB48の4期生として活動した佐伯美香さん(31=09年卒業)が比較的近い経緯をたどっている。佐伯さんは期間限定で活動する「バイトAKB」(14~15年)を経て、AKB48の運営会社「AKS」(当時)に就職。AKB48の楽曲「ハロウィン・ナイト」(15年発売)の「スタッフバージョン」のミュージックビデオに出演したり、広報担当として17年の選抜総選挙のツイッターアカウントに登場したりしたことがファンの間で話題になった。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)