「スイングが鋭くなりました」
他球団のスコアラーは根尾をどう分析しているのだろうか。実戦を視察したスコアラーはこう語った。
「スイングが鋭くなりましたよね。立浪さんの指導もあると思いますが、タイミングの取り方が上手になり、インパクトの瞬間に力が伝わる打撃になっている。逆方向にも打球が飛ぶようになったのがその証です」
根尾の成長ぶりを認めたが、こう続けた。
「ただ、遊撃のレギュラーという観点で言えば京田(陽太)でしょう。根尾は遊撃の守備で京田にまだまだ劣る。打撃で勝負したいところですが、京田を圧倒するほどではない。春季キャンプの練習試合でも数字は出ていますが、打ち損じが安打になったケースが少なくない。
もちろん本人は遊撃のレギュラーを狙うつもりでやっていると思うけど、まだ高卒3年目。遊撃を軸にしながら二塁、外野もできるようにすれば出場機会は増えると思います」
球界全体を見渡すと、坂本勇人が高卒2年目、山田哲人が3年目、筒香嘉智が5年目でレギュラーをつかんでいる。
山田は遊撃で入団したが、送球難で二塁にコンバートされて大ブレーク。筒香は3年目の12年に108試合出場したが、翌13年は23試合出場にとどまるなど紆余曲折を経て、球界を代表する強打者に成長した。
高橋周や平田を含めてプロで活躍する選手たちは高卒3年目に1軍で「爪痕」を残している。根尾はどんなシーズンになるだろうか。