半導体大手・ルネサスが「捨て身」の買収を続ける理由 背景にある問題とは

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半導体業界は「特需」に沸く

   他方、足元の業績はいい。最終的なもうけを示す純損益は19年12月期は赤字だったが、20年12月期は457億円の黒字となった。

   5Gが普及期になって世界的に半導体需要が活況だったほか、過去の大型買収の効果も実を結び始め、営業利益は前期の10倍に拡大。車向け半導体の世界的な不足で価格が上昇しているのも追い風で、21年12月期には値上げが営業利益を最大100億円押し上げるとの試算もある。

   市場ではその値上げ効果が22年12月期まで続くとの見方と、21年12月期の上半期までとの見方など、強弱分かれる。

   このため、2月8日の買収発表と10日の決算発表を受けたルネサスの株価は、9日に前日比66円高の1269円、12日には同76円高の1316円を付ける場面もあったが、その後は1200円台前半中心の動きで、もう一つパッとしない。

   いずれにせよ、「車載半導体の『特需』後を見据え、付加価値の高い製品をいかに創出できるかが勝負」(アナリスト)になる。

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