菅首相長男「ササニシキ送りますよ」音声の余波 「なんでササニシキ?」「米農家の人が可哀想」

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   菅義偉首相の長男、菅正剛氏が勤める東北新社(東京都)が総務省幹部と会食をしていた接待問題で、『週刊文春』編集部は2021年2月24日、同席していた正剛氏が「ササニシキ送りますよ」と発言したとする際の音声をYouTube上で公開した。

   ツイッター上では「なんでササニシキなんだよ」「ササニシキへの風評被害が起きそう」といった声もあがっている。

  • 総務省接待問題の余波が「コメ」にも(画像はイメージ)
    総務省接待問題の余波が「コメ」にも(画像はイメージ)
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週刊文春が公開

   週刊文春が公開したのは、正剛氏と東北新社の子会社・東北新社メディアサービスの社長が、20年12月に総務省の秋本芳徳・情報流通行政局長(21年2月20日付で官房付に異動)に対し、六本木の飲食店で会食をしていた、とするときの音声動画。正剛氏が秋田の農業事情が話題になった際に「米もできますよ、さくらんぼもできますよ。送れって感じですか」「ササニシキ、送りますよ」と話した様子などが記録されている。

   音声公開をうけ、ツイッター上では「ちゃんと育ててる米農家の人が可哀想」と批判的な意見が相次ぎ、中には「ササニシキへの風評被害が起きそう」と心配する声が寄せられていた。他にも、正剛氏がササニシキという品種を持ち出したことに対する「違和感」を表明するユーザーもいた。

   全国米穀販売事業共済協同組合が運営する米の通販サイト「ごはん彩々」によると、ササニシキは1953年に宮城県古川市(現:大崎市)で育種を開始した品種だ。以降、安定した収穫量を強みに、宮城県を中心に作付面積を拡大。90年には「コシヒカリ」に次いで、全国作付け第2位を記録した。

   しかし、93年に東北地方を冷害が襲って以降は、冷害に強い「ひとめぼれ」などの品種が台頭。米穀安定供給確保支援機構が2020年4月に発表した、全国の19年産のうるち米作付け割合では、ササニシキは上位20品種にも入っていなかった。

   菅首相の出身地である秋田ではどうか。秋田県農林水産部が20年4月に発表した資料によれば、県内で「エース品種」と位置付けられる「あきたこまち」が5万8100ha、「ひとめぼれ」が6240haの作付面積を誇るのに対し、ササニシキは220haと「少数派」だった(いずれも19年の作付面積)。

「せめて、あきたこまちだろ」の声も

   こうした背景もあってか、ツイッター上では、

「育てるのが難しいから今は作付がすごく減っているはずなのにと気になってしまった」
「なんでササニシキなんだよ」
「秋田の米のこともなんもわかっていない」
「せめて、あきたこまちだろ」

   とツッコミも相次いでいた。

   また、宮城発祥のササニシキを持ち出したことに対しては「ササニシキがこんな事で話題になるなんて宮城県出身者としては物凄く腹立たしい」「宮城県民は怒っている。ササニシキに罪はない」と憤る声もあった。

   ただ、「ごはん彩々」によると、かつては「東の横綱ササニシキ、西の横綱コシヒカリ」と言われたほどの品種。サラッとした食感は「握り寿司のシャリとしては最適」で、今でも有名寿司店では愛用しているところも多い、という。こうした事情を踏まえ、「高級なお寿司屋さんでは、すし飯に向きのササニシキを重用してるから、そういった意味なのかな?」「狙い目だったのでは?」と推測する声もあった。

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