天皇陛下が2021年2月23日の誕生日を前に開いた記者会見では、コロナ禍が皇室の活動に与えた影響も大きなテーマになった。天皇陛下にとっても外出の機会が減った1年で、公務では「オンライン行幸」で国民とのコミュニケーションを図った。
一般の国民と同様、自宅で家族と一緒に過ごす時間も増えた。長女愛子さまは20年4月に大学に進学したばかりで、オンライン授業が続く日々だ。その様子を天皇陛下が「そばで見る機会」があったといい、思わぬ形で「天覧授業」が実現したことに驚きの声が広がっている。
学習院大に入学した愛子さま、初登校は20年秋
天皇陛下は記者会見で、「オンライン行幸」を行ってきたことや、21年の新年一般参賀が中止になった代わりに天皇皇后陛下によるビデオメッセージを発表したことを挙げながら、
「オンラインによる活動に新たな可能性を見いだせたことは,大きな発見と言えます」
などと話し、新型コロナが収束するまでの間、オンラインで国民との接点を維持することの重要性を強調した。
「地方を訪問する際の、駅頭や沿道も含めて、元気で多くの方々と同じ体験を共有し、その土地その土地の雰囲気を肌で感じるなど、実際の訪問でなければ成し得ない部分はあるものの、感染が収束しない現状では、オンラインは有効な手段と考えられます」
コロナ禍の影響は家族にも変化をもたらした。愛子さまは20年4月、天皇陛下の母校でもある学習院大学文学部に入学。オンライン授業が続き、初登校は20年秋だった。天皇陛下は愛子さまの勉強ぶりについて
「大学での勉強に意欲的に取り組んでいることを私と雅子もうれしく思い、また,少し頼もしくなったように感じております」
と喜んだ。
「授業を準備される先生方のご苦労も大きいものと思いました」
オンライン授業への取り組みについては、教員の努力にも言及しながら
「課題もかなり多く、愛子もその一つ一つに一生懸命に取り組んでおり、大変そうですが、授業を準備される先生方のご苦労も大きいものと思いました」
と話した。
オンライン授業は本来の受講者である生徒や学生だけでなく、保護者も見ていることがしばしば話題になる。これは愛子さまも例外ではなかったようで、天皇陛下は「何か学生時代に戻ったような気持ち」で授業を聞いたという。
「私たちも、愛子がオンラインで授業を受けているのをそばで見る機会もありましたが、私たち自身も、新たな知見を得ることができたり、何か学生時代に戻ったような気持ちになりました。今後、どのような状況の大学生活になるかは分かりませんが、愛子には、有意義な学生生活を送ってもらいたいと願っております」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)