菅義偉首相の長男らによる総務省幹部への接待問題をめぐり、7万円を超える高額接待を受けていた山田真貴子内閣広報官(60)の過去の発言に注目が集まっている。
若者向けのメッセージ動画の中で、成功の秘訣は酒席への参加だと説き、「私自身、飲み会を絶対に断らない女としてやってきました」と自身の信条を明かしている。動画は2021年2月24日朝の段階では視聴できたが、同日13時30分までに「非公開」となった。
国会公務員倫理規定違反の疑い
山田氏は安倍政権で、女性として初めて首相秘書官に任命された。菅政権では女性初の内閣広報官に抜擢され、首相会見の司会などを務める。
山田氏には、放送関連会社「東北新社」(東京都港区)からの不適切な接待が指摘されている。総務省の22日の発表によれば、総務省総務審議官だった2019年に、東北新社の二宮清隆社長や菅首相の長男の正剛部長(衛星放送子会社「囲碁将棋チャンネル」取締役を兼務、元総務相秘書官)らと会食した。
総務省職員が東北新社から受けた国会公務員倫理規定に反する疑いのある接待は計12人、延べ38件に上るが、山田氏の会食は一人当たりの飲食代が7万4203円(5人で計37万1013円)とずば抜けて高く、同社がすべて負担した。
山田氏は「放送業界全体の実情を話す中で、(東北新社の)グループ会社の話題が出たかもしれない。しかし、行政をゆがめるような不適切な働きかけはなかった」と弁明しているという。