天皇陛下は2021年2月23日、61歳の誕生日を迎えた。これに先立つ2月19日に行われた記者会見では、秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんの結婚問題にも言及。「多くの人が納得し、喜んでくれる状況になることを願っております」などと話した。
秋篠宮さまは、2人の結婚は世論の理解が前提だとの考えを繰り返し表明しており、天皇陛下としても同様の対応が必要だとの認識を示した形だ。
天皇皇后両陛下が「私の気持ちを尊重」の意味は?
秋篠宮さまは18年の誕生日会見で、小室さんの母親をめぐる金銭トラブルを背景に「多くの人が納得し喜んでくれる状況にならなければ、私たちは、いわゆる婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」と発言し、結婚にはきわめて否定的な考えを示していた。20年の会見では一転して「結婚することを認める」と明言したが、
「決して多くの人が納得し、喜んでくれている状況ではないというふうに思っている。そのことは、娘もおそらく同じ気持ちを持っていると考えている」
とも話し、引き続き世論の理解を得るための対応が必要だとの見方を示していた。
秋篠宮さまの「認める」発言の一因だとみられるのが、発言の1週間前の20年11月13日に眞子さまが発表したコメントだ。コメントでは、
「私たちにとっては、お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」
などと結婚への固い決意を強調。コメントの公表について天皇皇后両陛下に事前報告していたことも明かしていた。
「この度、私がこの文章を公表するに当たり、天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下にご報告を申し上げました。天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下が私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっていることに、深く感謝申し上げております」
「国民の間で様々な意見があることは私も承知しております」
今回の天皇陛下の記者会見では、記者が眞子様のコメントの内容に言及した上で、結婚問題への考え方を問う質問が出た。具体的には
「秋篠宮さまが結婚を認める考えを示されましたが、陛下はどのようにお考えですか。お2人の結婚に関して、国民の間で様々な意見があることについて、どのように捉えていらっしゃいますか」
という内容。天皇陛下は、「秋篠宮が言ったように」と前置きしながら、「多くの人が納得し、喜んでくれる状況」、つまり、世論の理解が必要だとの考えを示した。
「国民の間で様々な意見があることは私も承知しております。このことについては、眞子内親王がご両親とよく話し合い、秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し、喜んでくれる状況になることを願っております」
オンライン行幸「有効な手段」
コロナ禍の収束が見通せない中、天皇陛下にとっても活動が制約され、「オンライン行幸」を余儀なくされた1年だった。21年の新年一般参賀も中止され、代わりに天皇皇后両陛下によるビデオメッセージが公表された。天皇陛下は新型コロナが収束するまでの間、オンラインで国民との接点を維持することの重要性についても強調した。
「感染症対策としての利点以外にも、同時に複数の場所にいる人々に会うことや、中山間地域など、通常では訪問が難しい場所でも訪問できるという利点があることを実感しました」
「地方を訪問する際の、駅頭や沿道も含めて、元気で多くの方々と同じ体験を共有し、その土地その土地の雰囲気を肌で感じるなど、実際の訪問でなければ成し得ない部分はあるものの、感染が収束しない現状では、オンラインは有効な手段と考えられます」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)