ただ、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県には1500を超える駅がある。こうしたランキングに名を連ねなくとも、魅力的な街はたくさん眠っているはずだ。J-CASTニュースは「住みたい街ランキング」に載らない「オススメの街」を、まち探訪家の鳴海侑さんに聞いてみた。
郊外駅の「上昇」、都心付近駅の「下降」目立ったランキング
「2021年首都圏版 LIFULL HOME'S 借りて住みたい街(駅)ランキング」の上位では、1位の本厚木、2位の大宮(埼玉県さいたま市)、4位の八王子(東京都八王子市)、6位の千葉など、郊外にある駅の名が目立った。LIFULL HOME'S総研は「郊外」の駅に注目が集まった理由について「感染リスクのより低いエリアに転居したい、またテレワークの実施で毎日通勤しないのであれば、家賃相場が比較的安価な郊外方面で生活したいという要望などが顕在化したものと考えられる」としている。
一方で、前年から順位を落としたのが、5位の「池袋」(東京都豊島区)、10位の「川崎」(神奈川県川崎市)、15位の「荻窪」(東京都杉並区)、16位の「三軒茶屋」(東京都世田谷区)といった駅。鳴海さんはこれらの駅のランクダウンについて「コロナ禍による移動控えと一部業種でのテレワーク浸透により、『どうにかして都⼼に近いエリアへ引っ越そう』という需要が減少したのではないでしょうか」と分析する。
また、公表されているランキングの100位以内に目をやると、木更津(千葉県木更津市、前年141位→41位)、五井(千葉県市原市、86位→46位)、茅ヶ崎(神奈川県茅ケ崎市、134位→62位)といった駅が大幅にランクを上げた。鳴海さんは「いずれも⼯業地帯が付近にある駅。⾸都圏全体で⼈⼝移動が滞る中、⼯場で働く⼈などの住宅需要に⼤きな変化がなかったことも、今回の結果につながった⼀因なのではないでしょうか」と考察する。
鳴海さんは、ランキングが物件への実際の問い合わせ数をもとに算出されていることから、100 位以内には「めぼしい駅」が出そろっていると話す。⼀⽅で「ランク外」の駅にも魅⼒的なエリアがあるのではないか。そう聞くと、いくつかの駅名をリストアップしてくれた。