沿線の通勤輸送やイベント会場へのアクセス役としても活躍
しかし、空港アクセスの方は1998年に京急電鉄が羽田空港ターミナルビル下に乗り入れると競争が激化した。国土交通省の航空旅客動態調査(2017年度)をみると、空港アクセスのシェアは京急に逆転されている。京急の羽田空港―品川間の運賃が292円(ICカード、19年秋に値下げ)なのに対し、東京モノレールの羽田空港―浜松町間は492円(同)で、運賃面での競争力に課題が残る。
2002年にはJR東日本グループになった。今回、当のJR東日本による羽田空港アクセス線が21年1月20日に認可され、さらに激しい競争に晒されそうだ。ただし、JR東日本の羽田空港アクセス線は現在認可された新駅は国内線メインの第1・第2ターミナルに新設の「羽田ク空港新駅(仮称)のみで、国際線が発着する第3ターミナルにも駅が作られるかどうかは確定していない。国際線のアクセスでは一定のアドバンテージを保てそうだ。
いずれにせよ、東京モノレールはこれまでにも沿線の通勤輸送やイベント会場(大井競馬場・流通センターなど)へのアクセス役も担ってきた。当初の使命は空港アクセスがメインではあったが、現在は沿線を支える交通機関でもある。都心から空港へのアクセス輸送では乗客を減らしても沿線輸送の役目は変らず、京急・JRとは住み分けによる生き残りが図られそうだ。
(J-CASTニュース編集部 大宮 高史)