伏線を次々に回収する緻密な脚本に驚嘆の声
もうひとつの劇団「ごりらぐみ」は作品「不本意アンロック」を上演。堺萌香さん(22)が、主人公の「後藤佳」を演じている。佳は仕事上のトラブルに疲れて職場を退職し「部屋にも心にも、しっかり鍵をかけてしまった」日々を送る中、松岡はなさん(21)演じる謎の人物「エニシ」がPCの画面に登場。「エニシ」が生きる未来では、完全に社会がバーチャル化され、トラブルを起こした人とは二度と出会えなくなる「強制シャットアウト」と呼ばれる機能を実装。誤解によるすれ違いでも、二度とやり直しができない社会になっていた。佳は、エニシの示唆を受ける形で、この未来を変えようと奔走する。あらゆる場面にちりばめられた伏線を終盤で次々に回収していく緻密な脚本が特徴的で、上映画面のコメント欄には驚きの声が続々と書き込まれた。
脚本を担当したのは豊永阿紀さん(21)。ドキュメンタリーでは執筆に行き詰まって「引き出しが、もう空っぽなんですよ」と弱音を吐く場面も描かれ、2月17日付けのブログでは
「毎日パスポートと通帳持ってましたもんね。こういう時勢じゃなかったら多分飛んでました。だけど、今こうなって良かったです。助けてもらって、どうにかこうにか作り上げて」
と述懐している。翌18日付けのブログでは、かつて指原莉乃さん(28=19年卒業)に言われたという言葉を紹介しながら、初日を迎えられることへの感謝をつづった。
「頑張る場所は人それぞれに違って、優劣ではなく、それぞれが全力でそこに存在するから、グループが成り立つのだと」
初日は計4公演で2000人以上が視聴。各演目は2月21、23、27、28日にも2公演ずつ(両演目で計16公演)予定。「劇団ノーミーツ」がプロデュースするオンライン劇場「ZA」で上演される。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)