コロナ禍でエンタメ業界の活動が制約される中、福岡市を拠点に活動するHKT48が、オンライン演劇という新たな分野に力を入れている。
「HKT48、劇団はじめます。 」(劇はじ)と題したプロジェクトが2020年10月中旬にスタートし、グループ内に立ち上がった2つの劇団による演目が21年2月20日、上演初日を迎えた。フルリモート劇団「劇団ノーミーツ」の支援を受けながら、企画、脚本、演出、出演、宣伝、上演などをすべてHKT48メンバーが担当。アイドルグループのメンバーが、裏方としての役割を含めて4か月かけて作品を作り上げる異例の取り組みだ。
メンバー36人が2つの劇団に分かれて活動
HKT48では、メンバーの田島芽瑠(たしま・める)さん(21)が、劇団ノーミーツの旗揚げ公演「門外不出モラトリアム」(20年5月上演)のオーディションに合格し、出演。これが今回のプロジェクトのきっかけになった。
プロジェクトには、メンバー36人が参加。「ミュン密」「ごりらぐみ」の2つの劇団に分かれて活動した。取り組みは、逐一SNSやユーチューブの動画で公開。HKT48のメンバーが外部のデザイナーとロゴ発注の打ち合わせをしたり、キービジュアル撮影の段取りをしたりと、「裏方」で汗をかく様子を伝えている。田島さんは、「ミュン密」で演出を担当。ユーチューブに順次公開されているドキュメンタリーでは、
「48グループ自体がなんかもう、後退しているように思われてるけど、その中で、がむしゃらに前に進もうとしているやつらもいるんだよ、というのは見せつけたいですね」
と意気込んだ。