「日本にいるときより球は荒れる」
レッドソックスは野茂英雄をはじめとし、松坂大輔、上原浩治ら多くの日本人投手が所属した球団だ。地元ボストンでは早くも澤村への期待が高まっており、注目度は上がっている。ボストンの地元メディアでは、澤村が「守護神」争いに加わる可能性に言及しているが、橋上氏はいくつかの不安要素を指摘した。
「メジャーのボールは滑りやすく日本よりも制球しづらい。日本のボールであれだけ制球が乱れるので、日本にいるときより球は荒れると思います。そうなるとストライクを取ること自体、きゅうきゅうとする。スプリットは効果的な変化球だが、それ以外の球種である程度カウントを整えられる球を持っていないとメジャーでは厳しいでしょう」(橋上氏)
また、橋上氏は澤村がメジャーのマウンドに挑むにあたり「制球、球種含めて武器が足りないと思います」と指摘した上で次のように語った。
「スプリットはカウントが有利になって初めて生きる球種。スプリットは見送ればボールになってしまう球ですから。田中(将大)投手のスプリットがいきるのは、ストレートとスライダーの制球がいいので、ボールになってもいいスプリットを使えるカウントをつくれる。そうなると打者はボールになるであろう球を打たざるを得ない。ボールが先行してしまうような投手は、ボールになるスプリットを使えるカウントにもっていきづらい」(橋上氏)